長くて短い3時間!おすすめインド映画『きっと、うまくいく』の感想

画像出典;We heart It(https://weheartit.com/entry/27821601)

 

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こんにちは。うみ(@sweeticxoxo)です。

このお正月に2日連続で観た映画があります。

インド映画『きっと、うまくいく』。

 

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以前からいい映画だと何度か耳にしてはいたのですが、今回はじめて観たら予想を遥かに超えて素晴らしかったです!

本編が3時間近くあるので2日に分けて観ようと思っていましたが、観始めたらストーリーにあっという間に引き込まれてしまいました。

1日目なんて日付が変わる辺りで観てストップするつもりだったのに、結局最後まで観てしまい、終わったのは夜中の3時。

そして翌日も、最初から観てしまうという…。笑

今回の記事は、そこまで気に入ってしまった『きっと、うまくいく』の紹介&感想です。

 


* 『きっと、うまくいく』大まかなあらすじ


インドの難関工科大学に入学した、ファルハーン、ランチョー、ラージュー。

3人はルームメイトになり、そして親友になります。

 

 

画像左:ファルハーン

生まれた時に父に「エンジニアにする」と決められ、その通りにエンジニアになるために工科大学へ。

本当は動物写真に興味があり、憧れの写真家に手紙を書いたが、ずっと出せずに手元に持っていた。

進むべき進路と進みたい進路の狭間で揺れ動く。

 

画像真ん中:ランチョー

難関大学でトップの成績を取るほどに秀才。

座右の銘は「Aal izz well」(All is well = きっとうまくいく)。

自由奔放で行動力や発言力があり、時には学長や先生に楯突いて、授業を追い出されることも。

とある理由から卒業後に姿を消し、音信不通になる。

 

画像右:ラージュー

貧しい家庭に生まれ育ち、家族からの期待を一心に背負っている。

本人もそれを自覚しているため、将来の成功の神頼みに余念がない。

机の壁一面に神の肖像画を貼り付けて祈りの儀式を熱心に行ったり、幸運の指輪を恐ろしいほどに大量にはめたり…。

涙もろく、感情の起伏が激しい。

 

大学を卒業して10年後、クラスメイトのひとり、チャトゥルからファルハーンに電話が入ります。

ランチョーが見つかった、と。

ファルハーンはラージューに連絡を取り、ふたりはチャトゥルの元へ。

すったもんだの末、チャトゥル、ファルハーン、ラージューの3人はランチョーへ会いに行くことに。

果たしてランチョーは現在どこで何をしているのか。

どうして彼は卒業後に消えなければならなかったのか。

大学時代の思い出と10年後の現代のランチョー探しを織り交ぜながら物語は進みます。

 

予告編はこちら。

アメリカ版の予告編ですが、言葉は分からなくても映画の雰囲気は十分に伝わります。

(日本語の予告編もありますが、これは違う…と感じたのであえてリンクは貼りません)

 

 


* この映画のポイントと感想


1.中毒性の高い音楽とダンスシーン

これはインド映画の特徴と言っても過言ではありませんが、やはりこの映画でも挙げたいポイントです。

特に「Aal izz well」(All is well)は、映画を見た後もメロディーが頭から離れませんでした。

 

 

もちろん「ここで踊りだすのか!」と突然入ってくる、まさにインド〜!!なダンスシーンも健在。

このダンスシーンで心を鷲掴みにされ、さらに深くストーリーに入り込んでしまいました。

完全に映画製作者の思うツボにはまったのだと思います。笑

しかしながらこの映画は3時間におよぶ超大作。

メリハリをつける意味でも重要なシーンなのかもしれません。

 

 

2.教育に対する疑問の投げかけ

インドの教育”も”暗記式だそうです。

参考記事;インド人は世界中でCEO。暗記教育なのに議論できる理由は? http://news.kodansha.co.jp/20160305_b03

 

インドの公用語:ヒンディー語が上手ではない海外生まれのクラスメイト、チャトゥル。

彼は教師の日に行われる式典で、ヒンディー語でスピーチをすることになります。

そのスピーチは他の人に作ってもらって、彼は意味も調べずに原稿を丸暗記。

実はランチョーとファルハーンの手によって、「チャマトカール」が「バラートカール」(どちらもヒンディー語の単語)に変えられていることも知らずに…。

それをそのまま式典の壇上で発表してしまい、学校中に恥を晒すことになります。

 

暗記とは物事を疑いもせずに、そのまま覚えてしまうこと。

何が間違いか、何が正しいのか、それを考える事もせずに。

この映画の「暗記教育」を取り上げた場面は、ちょっと皮肉なものとして描かれています。

その後、彼は「これが俺のやり方だ!これで俺は成功してやる!」と宣言。

10年後の彼が成功したかどうかは観た方の判断による、そんな結果となっています。

外国語を学ぶ身としてはスピーチするなら単語の意味は調べておこうよ!と思うのですが、語学に興味がない人には面倒に感じるのかもしれませんね。

 

そしてもうひとつ無視できないもの、それが教育を受けさせる親の思いです。

インドのヒンドゥー教ではカースト制度があります。

インドの憲法ではカースト制度を否定していますが、未だに生活の中に根強く残っている制度です。

生まれながらにして身分が決められており、自分が属するカーストによって職業選択の幅も決められています。

ただしIT分野は最近生まれた業界なので、カーストによる縛りがありません。

自分の実力で這い上がっていける仕事環境があります。

カーストによる貧困から抜け出すためにも、子どもにはいい大学を出てエンジニアになってほしい。

その思いがラージューやファルハーンの家族にもあり、彼ら自身も痛いほど知っているからこそ、大学受験を乗り越えて工学の勉強をしているのでしょう。

 

よく勉強することが、よい生活を送ることに直結する社会。

だけど、よい生活が必ずしも幸せな生活だという訳ではない社会。

特にファルハーンは、このポイントで葛藤しています。

自分に求められていることと自分の好きなことが異なったとき、どちらを選んだらいいのか。

教育は誰のため、何のためなのでしょう?

ランチョーは自分自身で答えを持っており、それを基にしてファルハーンへアプローチしていきます。

 

 

3.結末の風景が意味するもの

ラダックという、中国との国境に近い場所でエンディングを迎えます。

この地方の風景は、彼らが大学時代を過ごした都会とは全く異なったものです。

澄んだ青い湖と青空の下に連なる山々は、まさに幻想的な美しさ。

どこか現実離れした感じさえ漂います。

どうしてこの風景をエンディングに持ってきたのでしょうか。

 

ランチョーは映画の中でこういうことを言っています。

「好きなことを追い求めていれば、成功は後からついてくる」と。

カースト制度が未だに残るインドでは、「好きなことをする」ということは簡単にできることではありません。

それに加えて、親の過度な期待。

一辺倒に「好きなことを」と言っても、それは現時点では大勢の人にとって理想論なのかもしれません。

理想と現実。

その狭間に物語を終着させるという意味で、この幻想的な風景を選んだのではないでしょうか。

いつかたくさんの学生が「好きなこと」を選択できるように、との願いを込めて。

 


* まとめ


結果的に言ってしまえば、みんな、「きっと、うまくいく」です。

でもそこに至るまでに、映画の中の学生たちと一緒にたくさん泣いて、笑います。

少々品のない場面が散見されますが(笑)、3時間に及ぶ超大作ですが、わたしにとっては出会えてよかった作品です。

英語とヒンディー語が風景のようにスマートに混在しているのもよかったな。

 

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エンディングを迎えることが惜しい、と思いながら観た映画は久しぶりでした。

泣いて笑って、愛おしい3時間になりますよ。

 

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